活用形とか助動詞ってなんだっけ?
1.活用形
日本語は、使い方によって形が変わるのがめんどくさいところ。
辞書には「走る」という言葉が載っているけど、実際使うときは・・・
「走ら」———ない
「走り」———ます
などなど、「走ら」とか「走り」とか、ちょっと違う形になります。
しかもこれ、「走らます」とか「走りない」とかいう形だとなんか変。
「ない」の前なら「走ら」、「ます」の前なら「走り」と、場合ごとにどういう形になるかは、なぜか決まってる。
その場その場で、言葉の形を”有効活用”しないと、正しい形になりません。
現代語なら、私たちは自然にやってるわけですが。
この、「走ら」「走り」「走る」・・・という、”形の変化”が「活用」。
それぞれの形(=活用形)には名前がついてます。
未然形 (「−ず」の前の形) 走ら(ず)
連用形 (「−ます」の前の形) 走り(ます)
終止形 (言い切りの形) 走る(。)
連体形 (「−時」の前の形) 走る(時)
已然形 (「−ども」の前の形) 走れ(ども)
命令形 (命令する形) 走れ(!)
2.助動詞
未開人の気持ちになって、単純な言葉だけで表現してみましょう
イヌ、ハシル。



これ以上複雑な表しわけができないとしたら、ここで言っているのは
「犬が今走っている」
のかもしれないし、
「昨日走った」
のかもしれないし、
「これから走るだろう」
かもしれない。
もしかしたら
「犬が走ったらいやだなあ・・・」
って言いたいんだけど、そういう複雑なことをいう手段がないから「イヌ、ハシル」としか言えないのかも。
「走る」
という動きについて、それがすでに終わった(過去)とか、頭の中の想像で言ってる(推量)とか、それを否定したい(打消)とか、いろんな意味を詳しく表しわけるための言葉が助動詞。
現代語の「走らない」であれば、「走る」を打ち消している「ない」が打消の助動詞。
まあ、動詞にくっついて、意味を表しわけるやつ、と思っときましょう。
”助”動詞だし。
3.助動詞と活用形
——日本語を外国語として学ぶ立場で考えてみましょう。
ニホンゴワカリマセン。
「走る」という言葉を覚えました。
否定形は「ない」という言葉だということも覚えました。
これだけでは自然な日本語、ハナセマセン。
「走る」+「ない」=「走るない」ではニホンゴとして×。
「ない」という助動詞がつく場合は、上の動詞はどういう活用形になるのか(「走ら」なのか「走り」なのか「走る」なのか・・・)
がわかってないと、正しい形、ツクレマセン。

つまり、「走る」を打ち消したい、と思っても
打消を表す助動詞は「ない」である、という知識
に加え、
「ない」をつける場合は、上の動詞の活用形は未然形である、という、接続する活用形についての知識
も持っていないと実際には使えないわけです。
・・・ということを、古文の学習ではやんなきゃいけないわけです。
「走る」を過去にしたい
↓
過去を表す助動詞は「けり」
↓
「けり」をつける場合は、上の活用形は連用形(「走る」なら、連用形は「走り」)
↓
「走りけり」。
このように、各助動詞については、
それが表す意味
と
どの活用形にくっつくか
とを覚えるのがポイント。
たとえば、
「けり」なら、
意味:過去、接続:連用形
ということがわかってなきゃいけない。
あーめんどくさ、って思いますが、われわれは現代語においてこれ、自然にやってるわけで、古文も読み慣れてくると自然にできるようになります。読み慣れて自然にできるようになるまでの橋渡し、というのが文法知識だと思ってください。
よくわかんないけどこの形が一番すっきりする気がする・・・という感覚が身についた、あるいは、初めからなんとなくあるのであれば、それは自信もっていい。試験で点取るためには「ナントカ形」とか覚える作業が必要になるけど、そんなのはちょっとの努力で何とでもなるから、一番大切なのは「これが収まりがいい」っていう感覚。
4.古典語の助動詞の複雑さ
さて、古文攻略の要は助動詞、ってよく言われるわけですが、それは現代語より助動詞が複雑だから。
たとえば、「おわったこと」として表したかったら、現代語では「〜た」(「走る」→「走った」)という形ぐらいしかありませんが、これが古文だと、似たようなものでも「き」「けり」「つ」「ぬ」「たり」「り」とわちゃくちゃあります。
そこで、今の「た」にざっくり当たりそうなものがこれだけある、というような対応関係を憶えたり、場合によっては現代語に訳しにくい、古典語特有の助動詞があったりします。
また、ここまでは「動詞1つに助動詞が1つつく場合」という単純な場合に限定して説明してきましたが、1つの動詞につく助動詞は1つとは限りません。助動詞が複数つながる場合もあり、助動詞の下にさらに助動詞がつく場合、助動詞自身も動詞と同じように活用し、後からくっつく助動詞が、その前にいる助動詞の活用形を決めていきます・・・。
あーめんどくさ。

5. 古典語助動詞の基本
・・・というわけでいよいよ《助動詞の基本》
助動詞の上の活用形に注目!
たいていの助動詞は未然形か、連用形。たまに終止形に接続します。
そして、接続する活用形によって、実はなんとなーくグループ分けできます。
■未然形につく
非現実イメージ(未来とか、想像の中とか、打消とか)
・ず(打消)→打消なので現実にはしていない。現実とは正反対
・む(意志推量):「これからこうしたい・あくまで想像だけどこう」
→いずれにしても現実ではない
・まし(反実仮想)→英語の仮定法みたいなもの。現実と異なる妄想
・じ(打消意志・打消推量)→やっぱり現実ではない
■連用形につく
現実イメージ(過去とか、既に現実で起こったこと)
・つ/ぬ/たり(完了)
・き/けり(過去) →基本的には「過去」「完了」に尽くされる
◼︎終止形につく
ちょっと微妙なもの。すっきりと現実とも非現実とも言いにくい
・べし(推量など)/まじ(打消推量など):「道理としてはこうだ」というイメージ
→道理の世界って……? 現実世界ではないが、あやふやな非現実でもなく現実以上にしっかりした事実みたいでもある。なんとも微妙
・なり(伝聞推定)/めり(推定)
→例えば「なり」、現実のことだけど、目で見たことではなく耳から聞いたこと。ただ普通に「現実です」って言うのではなく、わざわざ「私聞いたんです!」みたいなアピールをするちょっと微妙な奴ら
・・・というわけで、
助動詞の代表的な意味と接続する活用形は関連させて覚えよう。
助動詞の意味がある程度分かれば何形に接続するかは予想がつく
助動詞の上の活用形が何か分かれば、助動詞の意味を推測できる
未然:非現実←→連用:現実

6. 擬人化基本コンセプト
■接続する活用形によってグループ分けできる
未然=非現実・未来→現実離れしたアイドルテイストの衣装、寒色系
連用=現実・過去→過去をイメージさせる和テイストの衣装、暖色系
終止=上のどちらでもない特殊領域。上のどちらとも異なるテイストに
(意味によって両者の中間であったり、神がかっていたり)
■活用に関して、動詞の「あり」と同じものが多い
(アリを活用させられれば活用表覚える必要なし)
→それらに関しては、「アリ」をかたどったリボンをつけてあります。
探してみてください 。






